今回のブログでは、今の私の職業を活かして、家づくりにおいて『本当はこういう選択をしてほしいな』という本音を書きました。これから新築やリフォーム・リノベーションを考えている方は是非ご一読ください!
記事の前に一つ質問です。
家づくりのゴールはどこだと思いますか?
完成した時?お引越しが終わったら?
家づくりは決めることや、やる事も多く完成した時は感無量!
そこがゴールな気がしてしまいますよね。
でも私は声を大にして言いたい!
家づくりにゴールはない!!と。
なぜそう思うかというと、
・完成して引っ越した後、数十年は住み続ける。
・家族の構成や年齢が変化していく。
・好みや趣味は変化していく。
という理由からです。
完成直後のピッチピチのお家も、あなたと一緒に歳をとっていきます。
新品のように美しいのは最初の3年程度です。そこからあと何十年苦楽を共にしていくのでしょう。
私は家も、歳をとっても良い味を出して愛され続ける古道具のような存在になってほしいと思っているのです。
1|長く愛せる家ってどんな家?
「長く住む=家は劣化してくる」は必然ですよね。
では、どんな家が長く愛せるのでしょう。
① 経年変化を楽しめる味が出る家
② 家族構成や年齢の変化に馴染んでくれる家
③ 好みが変わっても飽きない家
④ 劣化しても自分で修理しながら暮らせる家
古民家カフェや老舗旅館、神社など古くなってこそ魅力の増す空間ってありますよね。
そんな年月を重ねても魅力的な家にするために、内装材を深堀したいと思います。
2|古くなっても愛せる内装材3選
ここでは、私が考える出来ることなら抑えてほしい、長く愛せる内装材について書いていきます。
2-1|経年変化も味に変えてくれる無垢フローリング
フローリングは毎日人が歩いたり、物を置いたり落としたり、一番傷が入りやすい場所だと言えます。
ここで大事になってくるのは、
・傷も味となるかどうか
・汚れや焼けなどの経年変化も味として楽しめるかどうか
です。
これを叶えてくれるのが、本物の木を削りだしてつくる無垢フローリング。
年数を重ねるからこそ深い味わいになっていきます。
床は面積も広くインテリアの中核を担うアイテムです。
私の家はヨーロピアンオークの無垢材をつかっています。
無垢フローリングについては書き出すと長くなってしまうので、記事を分けました。フローリングで悩んでいる方は是非ご一読下さい。
2-2|汚れたり飽きたら色を塗り替えよう!無垢の建具
建具もまたインテリアを構成する重要な役割を担っています。
私は断然無垢、もしくは突板(表面に木が貼られているタイプ)の建具をオススメします。
古くなっても味が出てくるのはもちろん、無垢や突板であれば後々加工もしやすく、将来色を塗り替て長く使えます。
リノベーションの現場でも木でつくられたドアなら塗りなおして、再利用したりしますよ!
一方、木目柄のシートの建具は以下のような懸念があるのです。
・新品の状態がピーク。その後ははがれたり傷が入ると劣化していく。
・シートの木目は流行があり、何十年もたつと『あの時流行ったもの』になっていく。
・無垢フローリングや木製の家具と合わせると、経年劣化する本物の木と、色や風合いが変わらないシートでちぐはぐになっていく。
・シートは基本は塗装が出来ないので、メンテナンスがしにくい
予算の関係があるのも、とっっっっっても良く分かります。
シートの建具にする場合は、木目ではなく単色がオススメです。
木目の考え方はこちらのブログでも書いたので参考にしてみて下さい。
私の家も居室やメインのリビングドアは無垢にして、収納やトイレのドアはホワイトのシート貼りにしています。
2-3|長く愛せる優等生!タイル!
タイルはお好きな方も多いですよね!
ただ、タイル本体の金額に加えて施工費が高いので減額要因になりがち・・・。
でも私はタイルこそ、経年変化の少ない優等生の素材だと思っています。
ここがすごいぞタイル
・タイルの素材は磁器や陶器なので、築40年経ったお家でもとても綺麗に残っている
・外壁にも使われる対候性や耐水性の高い強い素材
個人的にはタイルは未来のビンテージだと思うので、採用してほしいなという思いがあります。
ただ、タイルの難点として以下があげられます。
・目地が汚れる(油汚れ・カビ)
・割れてしまうと1つだけ補修する等の対応が難しい
そういった懸念点を考えて、私はキッチン側ではなくカップボードの背面に貼ることをオススメすることが多いです。
私の家もそうです。
他にも洗面台とミラーの間もオススメです。
床やコンロの前、お風呂をタイルにするのもお手入れを考えると尻込みしてしまいますが、完成した時の満足度と長く使っていけるという意味ではチャレンジする価値ありありです!
2-4|おまけ 壁仕上げは何がオススメ?
今回は壁の仕上げについては触れませんでした。
何がオススメなの?
左官壁や塗装壁!と言いたいところですが、一概に言えない部分もあります。
最も普及しているビニールクロスと比較してご説明します。
ビニールクロス
メリット:
初めの施工も安価。張り替えも安価。
種類が豊富。
デメリット:
剥がれたり破れたりすると補修を自分でやるのが難しい。
塗装や左官
メリット:
デザイン性。
左官の場合、調湿など機能性。
塗装はDIYで上から塗れる。
ちょっとした補修が自分で出来る。
デメリット:
塗り直し等メンテナンスの費用が高額。
それぞれメリットデメリットがありますが、クロスに比べると、塗装や左官は塗り直しをプロに依頼するとだいぶ費用が高いです。
塗装は1面くらいなら自分で塗れますが、家一軒全面をDIYするのはかなり厳しい!
やはり15~20年すると壁も汚れてしまうので、その時のメンテナンス費用も考えて選ぶ必要があると思います。
ヨコの家はLDKだけ塗装壁でその他はクロスです。
こだわっている箇所と差をつけても良いかも知れませんね!
3|お金をかける優先順位は?
2章までで、オススメの素材をご紹介してきましたが、そうは言っても家づくりは予算と切り離せないのは十二分に分かっています!
無理な出費をしてしまったら、元も子もないのでどこにお金をかけるか優先順位を決めていきましょう!
ヨコ的なオススメ2トップは以下の通りです。
1位:床
床は常に目に入る所だし、足が常に触れるところなので一番重要だと考えます。
2位:建具
建具の質は家のグレイドを一気に引き上げます。
床は出来ればこだわってほしいです。
インテリアのバランスを大きく左右します。
極端な話、床を無垢にして建具と壁紙はすべて白!というようなお家でも家具や小物のコーディネイトでとても素敵にすることが出来ます。
お家づくりの際に参考してみて下さいね!
余談ですが、個人的にはキッチンやお風呂などの設備のオプションはお金をかけなくても良いかと思っています。
設備関係の耐用年数はおよそ10年。家電など同様消耗品です。
お手入れがしやすいシンプルなものを選ぶのが一番良いのではないかと思っています。
4|まとめ
・家も歳をとる。長く愛せる家づくりを目指すべし!
・古くなっても愛せるおすすめ内装材は『無垢フローリング』・『無垢の建具』・『タイル』
・予算も考えて、優先順位を考えるべし!
いかがでしたか。
家はほとんどの人が長く住むつもりで購入しますよね。
長く愛せる家は最終的にコスパもよいと言えると思っています。
このブログのタイトルFULUME(古いものを愛でる)な家づくりが増えるといいなと思っています。